大学を中退してから専門学校に通うってどうなんだろう・・。
特に、自分のやりたいことが見つかった場合には、大学に通うよりも専門学校で学んだ方が将来のためになるのでは?と感じる人も多いでしょう。
確かに「専門分野」に特化した学習ができる面では非常に大きいメリットのある専門学校。
しかし、大学を中退してまで専門学校に通う意味は果たしてあるのでしょうか。
今回は、大学中退後に専門学校に通う選択肢について詳しく解説するとともに、その選択肢を選ぶべき人とそうでない人の特徴について解説していきます。
専門学校生における大学中退者の割合
専門学校といえば、基本的には高校卒業後の選択肢ですが、大学中退後に専門学校に通う人ももちろんいます。
世の中の専門学校入学者における、大学中退者の占める割合を見てみましょう。
出典:(株)さんぽう「大学進学後の専門学校等への進路変更に関するアンケート」
上記のデータから分かる通り、専門学校に入学する人のうち3.2%が大学中退者。
一見少ないように見えますが、50人のクラスに1〜2人の割合であると考えれば、それほどレアでもありません。
あわせて、こちらのデータもご覧ください。
出典:(株)さんぽう「大学進学後の専門学校等への進路変更に関するアンケート」
大学に入学した後で中退してしまう人の割合は2.9%となっています。(参考までに)
注目すべきは右の円グラフ。
「進路変更」を理由に大学を中退する人の割合は、中退者全体の38%を占めていることがわかります。
「進路変更」にはさまざまなケースがあると思います。
ですが、きっと「大学在学中に将来進みたい道が分かった、もっとその道に繋がることだけに特化したいから大学は中退しよう」と大学中退を決心した人が多くを占めると考えられます。
大学中退後に専門学校に通うメリット
ここでは、専門学校に通う4つのメリットを紹介していきます。
専門分野に特化した学習ができる
大学では専攻している科目に加え、さまざまな「一般教養」の科目についても勉強することになります。
しかし、専門学校は「専門分野に関わること」だけを学ぶことができる学校である点が大きな特徴。
例えば美容専門学校に通えば、ヘアスタイルやメイクに関わる科目ばかりが受講でき、全く関係のないことがらについては1科目も選択する必要がありません。
「ある分野に特化したこと」を学ぶ上では、より効率的にかつ短期間で多くを学べるのが専門学校の最大の強みと言えます。
大学中退者よりも専門卒が正社員就職率が高い
大学中退後に専門学校へ入学、卒業することで、あなたの学歴は「専門卒」になります。
実は、大学中退者よりも専門卒の方が、かなり正社員就職率は高いことがわかっています。
▼男性の正社員率(大学中退と専門卒の比較)
大学中退者 | 専門卒業者 | |
正社員率 | 27.8% | 51.9% |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」
上記の通り、正社員として社会で活躍する大学中退者は27.8%なのに対し、専門卒は51.9%。
倍に近いほどの差がありますよね。
専門卒の方が正社員就職率が高いため、統計的にみて「大学中退よりも専門卒の方が正社員として就職できる可能性が高まる」メリットがあるのです。
10人中2〜3人しか正社員になれないというのはかなり低い数値です。
大学中退者にとって就活は簡単ではないことが改めて認識できますね・・。
大学中退者よりも専門卒が成功しやすい
大学中退者よりも専門卒の方が「成功」しやすいのもメリットの一つ。
成功するという言葉の意味はとても曖昧ですが、人は誰しも少なからず「成功したい」と思うもの。
高収入を得る、有名企業で働く、会社の社長になる、などさまざまな形で「成功者」の一員になれたらいいなと思っている人は大多数です。
ここで、「成功」と呼ばれる数々の条件の中で代表的な以下の2つについて見てみましょう。
- 会社の役員になる
- 自営業を営む
▼会社などの役員・自営業主率(大学中退と専門卒の比較)
大学中退者 | 専門卒業者 | |
会社の役員もしくは自営業を営む人の割合 | 4.0% | 7.0% |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」
上記データから分かる通り、大学中退者より専門卒の方が会社役員もしくは自営業を営む人になる割合がかなり高いです。
その違いはわずか3%ですが、4%と7%ではかなり大きな差がついていると言って良いでしょう。
大学中退者よりも専門卒が失業率が低い
極め付けは「失業率」です。
大学中退者の失業率は専門卒の倍近く高いことが統計で明らかになっています。
▼失業率(大学中退と専門卒の比較)
大学中退者 | 専門卒業者 | |
失業 | 11.9% | 5.8% |
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「大学等中退者の就労と意識に関する研究 」
単純に考えると、専門卒の方がこの先失業しにくいのは明白であり、より安定してキャリアを築いていきやすいと結論づけることができます。
専門卒と大学中退とでは、そもそも「卒業」で終わるか「中退」で終わるかの大きな違いがあり、この違いは相当な意味を持つということですね。
大学中退者が専門学校への入学を決める前に考えるべきこと
ここでは、専門学校に行く前に絶対に考えるべき2つのことについて解説しておきましょう。
1.将来やりたい仕事が明確に決まっているか
あなたは今の時点で「この仕事に就きたい!」と明確に言える職種がありますか?
もしも「興味はあるけれど、どうだろう」とぼんやりしている段階なら、今は専門学校へ入学を決意する段階ではありません。
専門学校に入るには学費もかかりますし、なによりも卒業までに2年もの期間がかかります。
「結局卒業後に全く別の仕事に就いた」となれば、あなたに残るのは「専門卒の学歴」だけ。
専門学校に入るためには、あなたが就きたい仕事が100%明確に定まっている必要があります。
2.活躍したい業界が今後も変わらない自信があるか
あなたが今後活躍していきたいと思う業界があるとして、その先もずっと同じ業界でキャリアアップを目指したいと断言できますか?
人の興味は移りゆくものです。
専門学校で学んだことをフル活用して成功への道を進むのであれば、その専門分野に骨を埋めるくらいの覚悟があるべき!
もしも「一旦その仕事をやってみて、もし合わなかったらあれもこれもやってみたいな」、と他の職種や業界にも興味がある場合は、どんな業界でも通用する汎用性のあるスキルを身につける方が賢明です。
大学中退者が専門学校に入学して思う2つのこと
1.周りが年下ばかりになる
大学中退後に専門学校へ行くとなると、どうしても他の学生よりも自分が年上になりがち。
大学1年生で中退し、2年生に進級せずに専門学校へ素早く入学するにしてもあなたは周りよりも1つ年上になります。
多くの場合、2〜4歳ほど年上になるケースが多く、周りのクラスメイトと微妙な距離感ができやすくなってしまいます。
2.学費が高い
次にお伝えしておきたいこと、それは学費についてです。
もちろん、専門学校にもいろいろな学校があり、学費が安いところから高いところまで大きく差はあるでしょう。
ですが、平均して専門学校の学費は高額であり、国立大学4年間の学費と大差ないほどの費用がかかってしまう点については知っておく必要があります。
▼専門学校と大学の学費比較
専門学校 | 国公立大学 | 私立大学(文系) | |
初年度納付金 | 1,125,000円 | 817,800円 | 1,166,922円 |
在学期間合計納付金 | 2,201,000円 | 2,425,200円 | 3,977,697円 |
参照:東京都専修学校各種学校協会調査「令和2年度学生・生徒納付金調査」
参照:文部科学省ホームページ「私立大学・私立短期大学は「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額」
専門学校はほぼ全ての学校が2年制であることを考えると、「在学期間合計納付金」がいかに割高かがわかります。
よほどその分野について学習することがあなたの人生において価値のあることなら問題ありませんが、決して興味本位で入学を決めるべきではありません。
大学中退後に専門学校に通うべき人の特徴
特徴は大きく2点!両方に当てはまっているのなら、あなたはこれから専門学校への道を検討してみる価値が大いにあると言えます。
1.進みたい業界や職種が明確な人
「将来はホテル業界で働きたい」
「将来は航空業界で働きたい」
「美容師・ヘアメイクアーティストの道を目指したい」
など、具体的に就きたい職業が決まっている人、進みたい業界が定まっている人なら、専門学校に行く価値が大いにあります。
先ほども言いましたが、「まずはこの業界」というわけでなく、「今後転職するにせよ、業界や業種は大きく変える可能性がない」ことも大事です。
専門学校へ進学するなら、その専門分野でずっとキャリアアップを続ける決意が必要ですね。
2.金銭的余裕がある人
すぐに働かなくても生活していけるだけの環境は整っている人なら、専門学校生を2年間続けても問題はないはず。
前述の通り、専門学校は平均して200万円を超える多額の学費がかかるため、ある程度の金銭的余裕は絶対に必要となります。
大学中退後に専門学校に通うべきでない人の特徴
あなたがもし、ここで紹介する2つの例に当てはまっているのなら、専門学校入学の選択肢は向いているとは言えません。
1.将来やりたいことが分からない人
将来やりたいことが定まらず、あれもこれも同じくらいぼんやりと気になっている人は案外少なくありません。
進むべき進路がはっきりと定まっていないうちに「専門学校に行く」なんて決断はおすすめできません。
自分のやりたいことがはっきりしないのであれば「将来どんな業界に就職しても絶対に役に立つスキル」を身につけた方が賢いと言えます。
代表的なのは、Web関連のスキル。
ここで紹介したいのが月額制のWEBマーケティングスクール「Withマーケ」です。
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少しでも気になった方は、ぜひこちらを覗いてみてくださいね。
2.できるだけ早く稼げるようになりたい人
早くお金を稼げるようになりたい!という人にとって、専門学校への入学は賢い選択ではありません。
言うまでもありませんが、専門学校に通う間はできてアルバイトが限界。
学生なのですから、ガッツリ稼ぐなんてことはほぼ不可能です。
さらには専門学校の学費で収入はマイナスになってしまいます。
すぐに稼げるようになりたいのなら、大学中退のまま就職先を探す方が賢明であると言えます。
でなければ、大学中退者が「良い企業」に正社員就職をするのが難しいからです。
『Withマーケ』を利用して、スキルを身につけた後に就活する方が断然成功率はUPしますよ!
大学中退者が専門学校に入学するまでの5STEP
ここまで読んでみて、「自分は専門学校に行くべきだ!」と確信した方はぜひ最後まで読んでくださいね。
1.自分のやりたいことを見つける
きっとすでにやりたいことが固まっているからこそ、「専門学校に行こう」と決意を固めたはずですが、やりたいことを明確にするのが最初のステップです。
どの分野に特化した専門学校に通うかを決めましょう。
念のために「分野」の一例を挙げておきますね。
- 医療
- 工業
- 衛生
- 服飾
- 教養・文化
- 農業
- 美容
- 教育・社会福祉
- 商業実務
2.やりたいことに関連のある専門学校の情報集め
ここからはリサーチです。
専門学校のほとんどが、公式HPから資料請求できるようになっているはず。
気になる学校の資料は積極的に取り寄せましょう。
- 卒業生の就職実績
- 教師のプロフィール
- 学生によるレビュー
- 学費
3.オープンキャンパスに行ってみる
可能な限り、実際に足を運んで学校を見に行くことも大事です。
オープンキャンパスに行くことで、その専門学校の雰囲気や、在学生の雰囲気などをその目で確かめることができます。
オープンキャンパスの日程が合わない場合には、専門学校に問い合わせ、見学を希望している旨を伝えてみてください。
見学の機会を与えてもらえる場合がほとんどです。
4.学費の工面をする
入学したい専門学校が定まったら、ここからは学費や入学金の準備を始めましょう。
予算が足りない場合には、教育ローンを利用したり、奨学金制度を利用したりする方法も検討しながら、無理のない範囲で余裕を持って工面できるよう努めることが大事です。
5.入試を受ける
専門学校の試験は主に以下の3つの種類から選ぶことができるケースが一般的。
- AO入試
- 推薦入試
- 一般試験
それぞれについての説明はここでは割愛しますが、試験の種類によって受付時期や試験日程が異なるため、しっかりと確認しておきましょう。
大学受験に失敗した人たちが専門学校入学を検討するケースも多いため、大学入試の合否発表後には専門学校の入学倍率が一気に高くなる傾向にあります。
タイミングで損をしないよう、早めの出願を心がけましょう。
まとめ
今回は、大学中退後に専門学校へ進学するメリットや、専門学校へいくべき人とそうでない人の特徴についてまとめました。
結論、どんな人にも専門学校への進学をおすすめできるわけではありません。
やりたいことが明確にあり、目指す業種から今後も離れる可能性が極めて低い人、さらには金銭的に余裕のある人にこそ「大学中退後の専門学校進学」の選択肢が適していると言えます。
専門学校に行かずとも、スキルを学び、大学中退の学歴のままで正社員就職を成功させている人も数多く存在します。
成功への道筋をしっかりと立ててから行動しましょう。
計画だけでは意味がありません。大学中退後に挽回するためには、行動力が欠かせませんよ!
本記事を担当しているイケベです。
今回は、大学中退後に専門学校に通う選択肢をテーマに、専門学校に通うメリットやデメリットについてお話ししていきます!