大学中退でも公務員になれるのかな。公務員になれたら将来安泰なのに!
と、公務員への道に興味を持つ大学中退者の方もきっと多いのではないでしょうか。
この記事では、公務員に注目し、
- 大学中退者でも公務員になれるのか
- 公務員のリアルな現実(収入・仕事の満足度など)
- 大学中退者でも目指せる公務員種別
などについて解説します。
あわせて、大学中退者にぜひ検討していただきたい、公務員以外の選択肢についても紹介しています。
ぜひ、最後まで読んでみてくださいね!
大学中退者でも公務員になることは可能
大学中退者でも公務員になることは可能です!
大学中退ということは学歴が「高卒」になるわけですが、高卒でも公務員試験を受験することはできます。
公務員には大卒の人たちが多くいますが、高卒でも短大卒でも公務員になることは可能。
今、公務員として働く人の中にも、大学中退者は一定数存在していることは確実です。
目指す前に知っておくべき公務員のリアルな現実
と思った方、ちょっと待ってくださいね。
「公務員=安定していて社会的地位が高い」イメージを多くの人が持っていますが、公務員のリアルな現実はいいことばかりではありません。
ここで、公務員について知っておくべき3つのことをお話ししておきましょう。
1.公務員は学歴社会の風潮が根強い
大学中退で公務員になれたとしても、学歴社会に飛び込んでしまうことになることを知っておかなければなりません。
公務員は学歴社会です。
参考までに、国家公務員と地方公務員の学歴別職員割合をチェックしてみましょう。
▼最終学歴ごとの割合(国家公務員)
最終学歴 | 人員(人) | 構成比(%) |
---|---|---|
大卒 | 138,532 | 54.7 |
短大卒 | 35,646 | 14.1 |
高卒 | 78,719 | 31.1 |
中卒 | 235 | 0.1 |
学歴計 | 253,132 | 100.0 |
参考:人事院「第2表 適用俸給表別、性別、最終学歴別人員」
▼最終学歴ごとの割合(地方公務員)
最終学歴 | 人員(人) | 構成比(%) |
大卒 | 563,874 | 66.7 |
短大卒 | 69,740 | 8.3 |
高卒 | 188,737 | 22.3 |
中卒 | 1,674 | 0.2 |
学歴計(再任用含む) | 845,318 | 100.0 |
参考:総務省「第7表の1 職種別,年齢別,学歴別職員数及び平均給料月額」
国家公務員の54.7%、地方公務員においては66.7%が大卒であることがわかります。
さらに、職種別に見てみると、非常に興味深い結果となっています。
こちらをご覧ください。
▼職種別・学歴別の職員構成割合
職種 | 大学卒 | 短大卒 | 高校卒 |
一般行政職 | 66.7% | 8.8% | 24.2% |
技能労務職 | 2.3% | 5.9% | 66.1% |
高等(特別支援・専修 ・各種)学校教育職 | 95.3% | 2.3% | 2.4% |
小・中学校(幼稚園)教育職 | 93.4% | 6.6% | 0.0% |
警察職 | 52.2% | 3.8% | 44.0% |
参照:総務省HP「平成30年地方公務員給与の実態」
職種別に見ると、ほとんどの職種で大卒者が圧倒的に多いのがわかります。
中でも学校教育職は9割以上が大卒。
大学中退つまり高卒の学歴で教職に就く人はほぼいないことになります。
気になるのが「技能労務職」。ここだけは、高卒の割合がずば抜けて高くなっていますね。
技能労務職とは、具体的に以下のような職種のことを指します。
- 清掃員
- 給食調理員
- バス・鉄道運転手
- 用務員
- 道路補修作業員
これらの仕事は公務員の中でも作業を伴うもの。デスクワークではなく現場で作業に従事するのが技能労務職です。
大学中退者でも、公務員の技能労務職なら狙いやすいといえますね。
2.公務員の仕事満足度は低い
大学中退でも公務員になれば仕事にも満足して充実した社会人ライフが送れるはず!
と思う方も多いでしょう。
ですが、現実には「公務員の仕事満足度は低い」というデータがあるため、こちらも期待はできません。
▼17業種別の仕事満足度ランキング
引用:PRITIMES「17業種別の仕事満足度ランキング発表!ソーシャルリスニングで遂に真実が判明」
上記の通り、たくさんの業種の中でも、公務員の仕事満足度はワースト4位という結果。
この点は少し意外だったのではないでしょうか。
ここで、公務員の仕事満足度をもっと細かく見てみましょう。
▼公務員の仕事満足度ヒストグラム
引用:PRITIMES「17業種別の仕事満足度ランキング発表!ソーシャルリスニングで遂に真実が判明」
ヒストグラムというのは、「1」を満足度100%とし、-1から1までの分布を示したものです。
見てみると公務員の仕事満足度は「0」が圧倒的に多いことがわかります。
つまり、公務員の仕事に不満はないけれど、特に満足もしていないという「かもなく不可もない」人がかなり多いということ。
毎日同じことの繰り返しで惰性で働くようになってしまっている人が多いのが公務員の特徴。
仕事にやりがいを求める人にはあまりおすすめできません。
3.公務員=高収入とは言えない
大学中退で公務員になりたいと思う人の中には、「公務員になれば安定した高収入が稼げるから」と考えている方も多いはず。
しかし、意外にも公務員=高収入というわけではありません。
ここで、公務員の収入について解説しておきましょう。
もちろん、公務員と言っても職種や所属する自治体などで収入は変わるので、あくまで目安と捉えてくださいね。
- 月給:基本給+諸手当
- 年収:月給×12ヶ月+ボーナス
- ボーナス:月給×4ヶ月分
- 月給:基本給+諸手当(残業代など)
- 年収:月給×12ヶ月+ボーナス
- ボーナス:(基本給+地域手当)×4ヶ月分
▼各種公務員(20〜23歳)の月収・年収平均
月収 | 年収 | |
国家公務員(一般職) | 185,782円 | 297万円 |
地方公務員(都道府県庁) | 212,670円 | 330万円 |
地方公務員(政令都市) | 227,103円 | 352万円 |
地方公務員(特別区) | 243,338円 | 372万円 |
地方公務員(市役所) | 206,614円 | 320万円 |
地方公務員(町村役場) | 216,818円 | 336万円 |
参照:人事院「平成30年国家公務員給与等実態調査の結果」、総務省「平成29年地方公務員給与の実態」
ざっと見ていただいてどうでしょうか。
20代前半の公務員の収入は上記の通り。
決して「高収入!」と言えるほど高い数字ではありませんよね?
公務員の収入の特徴は「年々確実にUPする」こと。
50代を超える頃には年収は600万から800万円ほどにまで上がりますが、高収入と呼べるようになるまでに相当な年月がかかります。
大学中退者で公務員を目指すべき人の特徴
ここでは、それでも大学中退者で公務員を目指すべき人はどんな人なのかについて解説していきます。
社会的信頼を得たい人
公務員になることで、社会的信頼を得ることが可能です。
というのも、「公務員=ちゃんとした仕事に就いている人」のイメージは根強く、公務員を馬鹿にしたり下に見たりする人はかなり少ないから。
一方で、大学中退者を馬鹿にする人は決して少なくありません。
自分に対する他者のイメージをよくしたい、社会的信用を得たいという人なら、公務員を目指す価値は大いにあります。
定時上がり・カレンダーどおりに働きたい人
仕事に対するやりがいよりも、とにかく「残業や休日出勤は絶対に嫌!定時上がりの仕事がいい」という人にも公務員はおすすめです。
公務員である限り、極端な残業や休日出勤はほぼありませんし、ましてや「サービス残業」などはあり得ません。
民間企業ではいまだにブラック企業と呼ばれる会社が多い中、公務員はスーパーホワイトな印象。
定時に上がり休みの日はしっかり自分の時間を確保したいという方には、公務員になる選択肢が適していると言えます。
副業や独立企業には興味がない人
公務員になると、副業は基本的にNGとなるため、副業を希望されている方には公務員はおすすめできません。
将来副業や独立などに全く興味がないという方なら、公務員を目指す道が合っていると言えます。
公務員になれば副業で稼ぐ道が閉ざされてしまうのは大きなデメリットでもありますね。
3つの公務員種別
ここでは、それぞれの公務員種別についてまとめておきましょう。
地方公務員
地方公務員は、地方自治体に属している公務員のことで、地域密着型の仕事を主に行います。
警察官や消防官も地方公務員です。
公務員の中で最も身近な種別とも言える地方公務員ですが、さまざまな職種があるので簡単に紹介しておきましょう。
- 一般行政職
事務処理などの業務中心 - 技術職
建築・土木・機会・電子・電気・情報・化学・農学・畜産などの各分野における専門的な業務を行う - 公安職
警察官や消防官など(国の治安・安全をつかさどる仕事を行う) - 資格・免許職
教員や看護師、保育士など(公的資格や免許が必要な職種で学校の単位や専門的な知識、技術を要する職種) - 特別職
県知事や市町村長など(選挙や議会の決議、任命などの特別な手続きによって選ばれる職)
公務員と聞いて真っ先にイメージされることの多い、教員や警察・消防官、そして看護師や保育士などはすべて地方公務員というわけですね。
国家公務員
国家公務員とは、国家機関や行政執行法人で働く公務員のこと。
〇〇省(厚生労働省、外務省など)と呼ばれる省庁で働く人たちは皆国家公務員です。
国家公務員には以下のような職種があります。
- 総合職
幹部候補生として各省庁や関連機関に勤務、通称「キャリア組」 - 一般職
各府省で事務仕事などを行う - 専門職
航空管制官や刑務官、国税専門官など特殊な分野に関わる事務を担う職員 - 特別職
内閣総理大臣、裁判官、国務大臣など選挙や任命などの手続きにより選ばれる職種
内閣総理大臣は国家公務員の特別職だなんて、知らなかった方も多いのではないでしょうか。
国家公務員はこのように、国全体に関わる事業や運営を担う職種です。
国際公務員
国際公務員は、国連などの国際機関に勤める公務員の種別。
高い語学力や専門知識が求められるため難易度は最も高く、原則として修士号以上の学位が必要です。
国際公務員の職種についても見ておきましょう。
- 一般職
世界各地の事務所において人事・財務・会計などの事務を行う - 専門職
専門知識を活かし、各種研究やプロジェクトに関わる(修士号以上必須)
大学中退者でも国際公務員の「一般職」にチャレンジすることは不可能ではありません。
しかし、現実には国際公務員一般職のほとんどが現地採用となっており、日本にいながら高卒の学歴で国際公務員を目指すのは現実的ではありません。
大学中退者が受験可能な地方公務員試験
地方公務員の職種の中には大学中退者でも受験可能なものがたくさんあります。
地方公務員試験は一般的に以下の3つに分類されています。
- 上級(大卒程度)
- 中級(短大・専門卒程度)
- 初級(高卒程度)
大学中退の場合は「初級」のところをチェックすれば良い、ということですね!
ただし、自治体によって年齢制限が18〜21歳などと微妙に異なるため、年齢制限をオーバーしていないか確認しておく必要があります。
ここでは、大学中退者が受験可能な公務員試験について紹介しておきましょう。
- 事務系
主に行政事務・学校事務・警察署事務の3種類。 - 技術系
建築・土木・機会・電子・電気・情報・化学・農学・畜産などの各分野ごとの専門的な仕事
- 警察官
試験合格後に警察学校へ入学→訓練を経て交番勤務 - 消防士
試験合格後に消防学校へ入学→訓練・教育を受けて消防士として配属
特に警察官や消防士の職種は人気があります。
いずれの職種も各自治体の募集要項を細かく読み込んで確認することが必須です。
大学中退者が受験可能な国家公務員試験
続いて、大学中退でも受験可能な国家公務員試験について紹介しておきましょう。
国家公務員試験も地方公務員試験同様に、学歴ごとに試験が用意されているため、大学中退者は「高卒」を対象とした試験を受ける流れとなります。
- 一般職
事務と技術・農業・農業土木・林業の5つの採用区分があり合格すれば事務をメインとする仕事に従事する - 専門職
合格後専門性の高い職種(入国警備官・刑務官・税務職員など)に従事する - その他
合格後衆参議員職員、裁判所職員などの職に従事する
大学中退者が検討すべき公務員以外の2つの選択肢
ここからは、大学中退から一発逆転を狙いたい方に向けて、公務員以外の選択肢を2つ紹介しましょう。
IT系
ひとつめはIT系の業種を狙い民間企業に就職すること。
大学中退ということはあなたの学歴は高卒となります。
高卒の学歴でも、IT系の仕事ならスキルさえあればハイレベル就職は夢ではありません。
なぜなら、IT系は学歴よりもスキルや実績を重視する業種だからです。
ITスキルを身につけ、コツコツと実績を積み上げながら経験値を上げ、最終的には独立企業するケースも少なくありません。
学歴が「大学中退」であっても、十分に挽回できる可能性を秘めているのがIT業界なのです。
営業系
同様に、営業系の仕事も成功への道筋を立てやすい選択肢であると言えます。
その理由は、「営業スキル」はどの業界に就職しても確実に役に立つからです。
大学中退のまま民間企業に就職し、営業マンとして実績を積み上げ、そこから転職を繰り返し優良企業・人気企業へ就職するケースは決して夢物語ではありません。
公務員として働くよりもうんと早い段階で高収入を稼げるようになる可能性は大いにあります。
大学中退者が優良民間企業に就職する方法3STEP
「そんなこと言っても大学中退なのに簡単に就職できるのかな・・?」
ここでは、大学中退のあなたが少しでもハイレベルの民間企業へ就職できるとっておきの方法について紹介します!
1.スキルを積み上げる
大学中退の学歴が不安材料ならば、その不安材料を挽回できる要素を獲得しましょう。
最も確実性の高い方法は、「スキルを身につけてから就職する」というもの。
ここで紹介したいのが月額制のWebマーケティングスクール「Withマーケ」です。
安心の月額制オンラインスクールWithマーケでは、マーケティングの基礎から専門知識まで幅広く学ぶことができます。
スキルを学ぶのに学歴は必要ありません。
あなたに必要なスキルをWithマーケでガッツリ積み上げましょう!
内容やプランなど、Withマーケの詳細については、こちらからチェックしてみてください。
2.実績を積む
スキルを身につけたら、ここからは実績を積み上げていきましょう。
実績を積む方法にはさまざまなものがありますが、たとえば以下の2つの方法があります。
- クラウドソーシング(ランサーズ・クラウドワークス)を活用
- アルバイトとして働きながら実績を積む
例えばWebデザインのスキルを身につけたら、クラウドソーシングで案件を受注し、実際に納品することで実績を積むことができます。
また、アルバイトや契約社員として働きながら実績を積むことも可能ですが、「正社員でなければ仕事をあまりまかせてもらえない」というケースもあるため注意が必要です。
3.スキルと実績を武器に就活する
ある程度の実績が積めたら、あなたが身につけたスキルと積み上げた実績を引っ提げて、本命の企業にエントリーしましょう。
大学中退者のあなたがそのまま就活をするよりも、スキルと実績を積み上げてから就活をする方が、成功率が飛躍的に高くなります。
「どうせ無理だろう」と諦めていた企業に見事正社員就職できる可能性も十分にあります!
まとめ
今回は、大学中退者が公務員を目指すという選択肢にフォーカスし、公務員の仕事内容や職種について細かに解説しました。
今回の記事でお伝えしたかったことを再度まとめておきます。
- 公務員になってもいきなり高収入は見込めない
- 公務員は学歴社会である
- 公務員の仕事満足度は低い
- 社会的信用を得たいなら公務員はベストな選択肢
- 民間企業に就職する方が高収入を目指しやすいケースもある
- 大学中退から民間企業に就職するならスキルを身につけるべし
公務員は安定していることが最大の魅力。
ですが、やりがいを求める方や、いろんなことに今後チャレンジしたい方には公務員はおすすめできません。
大学中退者が成功するためには、公務員以外の選択肢も視野に入れてじっくりと検討し、行動を開始する必要がありますね!
本記事を担当しているイケベです。
安定した職種といえば「公務員」を思い浮かべる方がほとんどだと思います。
今回は、大学中退者にとって公務員になる選択肢は良いのか悪いのか、くわしく解説していきましょう!