「IT業界に就職したいけど、IT業界はやめとけとよく聞くから違う業界に就職した方ががいいのかな」
近年、IT業界の需要が高まるにつれて就活生からのIT業界への志望率が高まっています。
しかし、IT業界はブラックだからやめとけと聞くからやめた方がいいのかなと悩んでいる就活生は少なくありません。
以下の「業界別残業時間ランキング」によると、
▼業界別残業時間
順位 | 業種 | 残業時間 |
1 | コンサルティング | 83.5 |
2 | マスコミ | 78.6 |
3 | 不動産・建設・倉庫 | 70.8 |
4 | マスコミ | 66.1 |
5 | 不動産・建設・倉庫 | 64.8 |
6 | IT・通信・インターンネット | 63.36 |
参照元:「業界別残業時間」を元に作成
このように残業時間を見ると、IT業界ってブラックなのと疑うかもしれませんが、IT業界全ての企業がブラックとは限りません。
そこで今回は、IT業界の内部の実態を徹底的に調査した上で、新卒でIT業界はやめとけと言われる理由とやめとくべきIT企業の見分け方を紹介します。
新卒でIT業界やめとけと言われる3つの理由とその真相
新卒でIT業界はやめたほうがいいと言われていますが、実際どうなのか1つずつ見ていきますね。
1.ブラック企業が多いとされている
IT業界は、「長時間労働」や「深夜残業」が強いられているというイメージからブラック企業が多いと言われています。
では実際にどのくらい残業しているのか、以下で「業界別残業時間ランキング」の表を見てみましょう。
▼業界別残業時間
順位 | 業種 | 残業時間 |
1 | コンサルティング | 83.5 |
2 | マスコミ | 78.6 |
3 | 不動産・建設・倉庫 | 70.8 |
4 | マスコミ | 66.1 |
5 | 不動産・建設・倉庫 | 64.8 |
6 | IT・通信・インターンネット | 63.36 |
参照元:「業界別残業時間」を元に作成
法律上で決められている残業の上限は原則月45時間までとされています。
そのため、「業界別残業時間ランキング」だけを見ると月45時間を超えているので「IT業界=ブラック」と思うかもしれません。
ただし、ここで1つだけ言っておくと、全てのIT企業が長時間労働でブラック化しているわけではありません。
その証拠として、「労働者1人平均年次有給取得状況」をもとに作成した表を見てみましょう。
▼労働者1人平均年次有給取得状況
順位 | 業種 | 労働者1人平均取得率 |
1 | 電気・ガス・熱供給・水道業 | 76.8% |
2 | 複合サービス事業 | 72.7% |
3 | 製造業 | 64.1% |
4 | 情報通信業 | 64.0% |
5 | 鉱業・採石業・砂利採取業 | 63.9% |
参照元:「労働者1人平均年次有給取得状況」を元に作成
他の業界と比べると有給取得率が高い傾向があることがわかります。
このように、中には福利厚生が充実している企業もあるので一概にIT業界はブラックだと決めつけることはできません。
しかし、ブラックIT企業も存在することは確かであることは言えるでしょう。
やめとくべきIT企業の3つの見分け方を最後に紹介しているので、参考にしてみてください。
2.AIによって仕事が奪われる
日本の労働人口の約半数が就いている職業がAIなどに奪われると言われています。
しかし、IT業界全ての職種に当てはまるわけではありませんが、プログラマーがAIによって奪われると言われています。
プログラマーの仕事は、コードを書いていきプログラムを作成していきます。
コードを書く作業はAIが得意とする単純作業でできるので、コードを自動で吐き出すといったことが生じてきます。
しかし、プログラマーの仕事はコードを書くだけではなく、システムの完成後に運用や保守などを行なっていきます。
AIは単純作業は得意ですが、運用や保守などの複雑な作業は得意ではありません。
そのため、単純作業できる部分はAIがしていき、複雑でAIができないような部分は引き続き人間がやっていくことになります。
3.IT業界は離職率が高い
先ほども言ったように、「深夜残業」などでIT業界はブラックと言われているので、IT業界は離職率が高いのではと噂されています。
実際のところどうなのか、「産業別入職率・離職率」のグラフを見て確認してみましょう。
参照元:「産業別入職率・離職率」
IT業界の部類は情報通信業です。
全体の離職率は12.8%でさらに他の業界と比べても、IT業界の離職率は9.2%なので離職率は低い傾向にあります。
そのため、IT業界の離職率が高いとは言えないことが分かるでしょう。
新卒でIT業界を目指すのはやめるべき人の特徴3選
次で紹介する3つの特徴に当てはまる人は、IT業界を目指すのはやめたほうがいいかもしれません・・・
1.「人と関わらずに仕事できそう」と考える人
IT業界=パソコン業務のようなイメージを持たれることが多いため、人と関わらずに仕事を進められると思うもしれません。
しかし、IT業界ではチーム内でコミュニケーションを取りながら何かを成し遂げていくので、人と関わらないなんてことはありません。
例えば、システム開発を行うにあたっても1人で開発するのではなく、チームで1つのシステムを作っていきます。
チームで行うと、お互いの進捗具合やシステム設計などの情報を共有していかなければ、より良いシステムを開発するのは困難になってきます。
むしろ人と関わらないというより、人と関わっていく業務ばかりです。
2.「カッコ良い」というイメージだけで目指す人
IT業界は、イメージより地味な業務が多いので、「カッコ良い」とイメージでIT業界に決めてしまうと入社後にギャップが生じてしまうでしょう。
例えば、ITエンジニアの業務内容を挙げるとすると、
- 企画・設計書をつくる
- 設計書通りにシステム開発
- システム運用・保守
このように、システム構築以外にもドキュメント等で企画や設計書もまとめていく業務もあるので、意外に地味な作業が多いです。
はたから見たらIT業界はきらきらしていると思われがちですが、実際はそんなことはありません。
3.未経験でも会社に入ればスキルアップできると考える人
IT業界は常に人材不足のため、1から全てを教えてくれるような研修制度が必ずしもあるわけではありません。
では実際に、どのくらいIT人材が不足しているのか見てみましょう。
参照元:「IT 人材需給に関する調査」
このように、年々IT人材の不足が増していることが分かるでしょう。
こんなにもIT人材が不足しているというのに、1人1人に手厚くサポートしている余裕がないのが現状になります。
そのため、未経験だからと言って手取り足取り教えてくれるとは限らないのです。
新卒でIT業界に入るべき人の特徴3選
次で紹介する3つの特徴のいずれかに当てはまる就活生は、IT業界に入ってもギャップを感じることはないでしょう。
1.業務時間外でも学習できる人
先ほども言ったように、IT業界ではIT人材が不足しています。
そのため、社内体制が整っていない企業も多く、手取り足取り教えてもらえる環境は必ずしもあるわけではありません。
IT業界は、他の業界と比べて変化が激しいので、入社後にも情報をアップデートしていくことが大事です。
さらに、業務内で分からないことがあって業務に支障をきたさないために、業務時間外でも自ら学習していく必要があります。
2.ITツールの習得を怠らない人
IT業界ということもあるので、ITツールを利用して業務の効率化を図って時間をうまく活用していきます。
例えば、ITツールを使用するシーンとして以下が挙げられます。
- スケジュール管理
- プロジェクト管理
- コミュニュケーション
このように、IT業界ではITツールを使って業務を遂行していきます。
しかし、ITツールの習得を怠るとやり取りでのコストを掛けてしまうこともあるので、ITツールを使いこなせることが大事です。
3.数値への意識が高い人
IT業界では、目標達成するために、それまでに達成すべき目標を細分化するための評価すべき数値を決めていきます。
例えば、システム開発でも以下の目標数値を追って、システム改善を図っています。
- システムエラーの件数
- システムテスト終了の件数
このように、システムエラーの件数の目標を達成すると、システムの品質確保に努められたという意味になります。
そして、システムテスト終了の件数の目標達成できると、納期期限にシステム開発をできことになります。
一見、IT業界はパソコンでカタカタやるだけと思われがちですが、地道に数字と睨めっこしています。
新卒未経験からIT業界に就職できるの?
結論からいうと、新卒未経験からIT業界に就職することは可能です。
なぜなら、企業側は新卒で採用するときにスキルがあるかどうかをみて採用するかを決めていないからです。
その証拠として、「企業が採用基準で重視する項目」の表をみてみましょう。
参照元:「就職活動・採用活動に関する 振り返り調査」
このように、就活生がスキルを持っているかどうかを重要視していないことが分かるでしょう。
その代わり、就活生の人柄やその企業への熱意を見て採用していると言えます。
冒頭でも言ったように、近年就活生のIT業界への志望率が高まっているので、競争倍率が他の業界と比べ高いです。
そのため、少しても倍率が低くホワイトな穴場企業を受けたいという就活生は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:【穴場】IT企業に特化した新卒向け就活エージェント・サイトおすすめ26選
新卒で入るのはやめとくべきIT企業を見分ける3つの基準
できればブラック企業のようなところに入社したくないですよね。
そこで、入社する際に見分けるべき3つの基準を紹介していくので、やめといた方がいい企業か見極めましょう。
1.中途採用で未経験者の採用がある(採用編)
新卒採用では、キャリア採用ではない限りスキルを持っていないからといって採用されないということはありません。
キャリア採用とはスキルがある経験者を即戦力として採用することを示しています。
しかし、中途採用ではスキルや職務経験が重視されるので、企業の求人情報で求めているスキルと経験がない限り採用されるのは難しいです。
その証拠として、「中途採用時に見られる項目」を示した図を見てみましょう。
参照元:「中途採用の実態調査」
書類選考に通るには、職務経験やスキルが必要だということがわかりますね。
それなのに、中途採用で未経験者の採用があると人が集まらないかつ入社してもすぐやめている場合があり、人材を欲しがっている証拠です。
人材が欲している状態の企業に入社することになったら、1人に対して過多な業務を強いられる可能性があります。
2.給与にみなし残業代が含まれている(給与編)
みなし残業というのは固定残業代という意味を表します。
固定残業を超えた業務をしたとしても、その分の給料が支払われずブラック残業化してしまう可能性があります。
例えば、求人情報に基本給22万円(見込み残業20時間込み)と記載されているとしましょう、
このような記載の意味は、基本給である22万円の中に残業20時間分の給料も含まれていることを表します。
残業が20時間超えた分の給料がちゃんと支払われれば問題はありませんが、支払われない企業もあるので気をつけましょう。
3.受託開発するにあたり多重下請けであるか(業務編)
多重下請けした企業に入社すると業務に見合ったお給料が支払われないため、割に合いません。
IT企業では受託開発といってクライアントさんから、「システムを作って欲しい」と言われてシステム開発をしていきます。
クライアントさんから請け負ったにも関わらず、開発ができないとなるとに下請け企業に依頼することになります。
そして、下請け企業もシステムを開発できないとなるとまたさらに下請けに依頼するという階層構造が出来上がります。
構造が多重化していくと、マージンが発生して下の階層にいくほど収益が減っていきます。
そして、最終的にシステム開発した下請けに行き届く単価はもっと減るので、業務に見合ったお給料をもらえません。
まとめ:やめとくべきIT企業かどうか見極めよう
新卒でIT業界はやめとけなのか、3つの観点から見ていきました。
もちろん、IT業界の中でやめといたほうがいい企業も中には存在します。
しかし、ここで紹介したやめとくべきIT企業を見分ける3つの基準を理解して見極めることができれば問題ありません。
そしてこの記事があなたに役立って、納得のいく就活ができるよう願っています。
しかし、IT業界の中でブラック企業に含まれるIT企業もあるので、見極めることが大事になってきます。