オンライン予約が当たり前となった今、さまざまな業種で必要に迫られているのが予約システムの導入だ。
本記事ではWordPressに予約システムを導入できるプラグインとツールを紹介していく。
WordPressはプラグインの種類がさまざまであり、英語仕様の設定も多い。
そのため選びきれないことや設定に躓くことが多々ある。
今回はその悩みを解決するべく、以下の4視点で調査を重ねた結果を記事にまとめた。
- 料金
- 日本語対応
- Googleカレンダー連携
- 決済機能
あなたの需要にあった予約システム、方法が見つかるはずだ。
目次
WordPressの予約システムの活用する3つのメリット
本来予約システムを使用しなくても、以下の方法を使用し予約自体は可能だ。
- 電話予約
- お問い合わせメール
- 既存サービス(ホットペッパーや食べログ等)の利用
しかし多くのサービスが多々ある中、WordPressを使用して独自の予約システムを作成するのは大きなメリットがある。
お客様が予約しやすい
こちらの画像を見てほしい。
左右どちらのほうが予約が簡便だろうか。
お問い合わせフォーム形式 | カレンダー形式 |
お申し込みフォームに希望日時を入れて返信を待つ形式か、カレンダーやリストから選んでその場で予約ができる形式。
左のお問い合わせフォームは、「返信を待つ」、「予定がつかなければ再調整」という手間が生じる。
このような予約しにくい状態だと以下のようなことが考えられる。
- 予約を後回しにする
「後で電話しよう(結局しない)」「後で入力しよう(結局しない)」 - 手間を感じ、他のサービスを探しにいく
上記の全てが顧客の機会損失に繋がっている。
Webサイトや記事の作成において「ユーザーに手間をかけさせない」は大鉄則だ。
手間をかけさせず、スムーズに予約してもらうにはWordPressの予約システムが最適である。
一元管理できる
例えば、予約媒体が複数あったとしよう。
- 電話
- お問い合わせフォーム
- SNS
- 外部予約サービス
この場合、予約重複のリスクが高まる。
そして、管理者は全ての予約を一覧化できるよう、他のツールを使用してまとめなければならない。
これが非常に手間であるのは想像がつくだろう。
しかしWordPressの予約システムを使えば、予約の一元管理が可能だ。
管理者の労力は圧倒的に減る。
その空いた時間を他の仕事に回すことができれば、更なる利益の拡大も見込める。
数値分析しやすい
予約システムを導入すれば、予約に関わる数値が全て同一のツールで管理可能だ。
例えば年齢、利用回数、支払い金額などの個別のユーザー情報を蓄積できる。
ユーザー情報の蓄積がされると、人気メニューや、平均利用回数、年齢データ管理できるため、数値分析し、経営改善に役立てることも可能だ。
▼例:年代別、時期別分析
WordPressの予約システムでできる3つのこと
1.時間単位で予約できる
▼例:予約の種類
日単位の予約 | 時間単位の予約 |
宿泊施設 レンタカー レンタル物品 |
美容院 病院 学習塾 |
予約の重複を避けた管理や、期間や時間などを細かく設定できるものもあるため、柔軟に対応が可能だ。
2.長期間の予約にも対応できる
宿泊施設等で長期間にわたる予約を行うときも、WordPressの予約システムで対応が可能だ。
前述した通り、予約可能期間の設定もできるため、「3ヶ月以内だけ予約を受け付ける」ことや「1年以上先の予約も受け付ける」等の設定もできる。
3.顧客管理できる
予約分析に加え、顧客の管理も可能である。
例えば、スクールの予約システムを使用していたとすると、
- 名前、メールアドレス、電話番号
- 過去の予約日時
- 過去に受講した授業
- 利用料金
このようなものが管理できることが多い。
キャンペーン時のお知らせ等もこの顧客リストから選択して行うことができるだろう。
WordPressに予約システムを設置する方法2パターン
では実際、WordPressに予約システムを設置する方法を紹介していく。
今回は大きく分けて、2パターンだ。
1.プラグインを導入する
プラグインとは、WordPressの拡張機能である。
デフォルトの機能や設定したテーマだけだと不足する便利な機能を追加し、カスタマイズできるものだ。
- WordPressのダッシュボードを開く
- プラグイン→新規追加
- 追加したいプラグイン名を検索
- 「今すぐインストール」をクリック
- インストールされたら「有効化」にチェック
2.予約システムツールを導入する
2つ目は、予約システムのツールを使用するという方法がある。
これは、WordPressに埋め込めるものや、リンクを介して他のサイトに遷延するものなどさまざまだ。
HTMLなどのコード知識がなくても、直感的に操作が可能なものが多い。
WoroPressに予約システムを導入する際の3つの手順
ここまでで、予約システムの概要は掴めただろう。
では、実際に予約システムの導入手順について解説していこう。
予約システムの導入
まずは、予約システムの導入を行う。
WordPressに予約システムを設置する方法2パターンで紹介したどちらの方法に決めただろうか。
WordPressのプラグインを利用するならば、前述した方法で有効化まで実施しよう。
別途予約ツールを導入する場合は、個別に会員登録が必要なことが多い。会員登録まで済ませて行おう。
予約システムの設定やフォームの作成
必要な初期設定を行おう。
- 企業名
- 住所
- 電話番号
- 事業形態 など
このような基礎項目を設定したあと、詳細な予約の設定(予約可能時間や予約可能人数等)を進めていく。
次に、顧客に表示されるカレンダーや予約フォームを作成していこう。
予約カレンダーは、WordPressに埋め込んで希望日を顧客が選択できるようにするものだ。
そして予約フォームとは、顧客が予約時に必要な情報を入力するものである。
上記で作成したカレンダーの日を選択すると予約フォームが表示されるのが一般的だ。
このように氏名や連絡先、備考欄などを設けることが多い。
必要に応じて項目の追加や変更を行なっていこう。
予約が正常に完了するか動作確認
ここまでで、顧客が予約完了する流れが作成できたが、この後が重要だ。
実際の動作確認を怠ると、業務場面で正しく機能しない等、ミスをしてしまう可能性がある。
WordPress上でズレなくカレンダーが表示されているか、フォームに入力後、正しくページが遷移しているかなどを確認しなければならない。
以下に確認項目をまとめておくので、参考にしてほしい。
- 予約カレンダー、フォームの表示
- 入力後、予約完了画面に正しく遷移する
- 予約完了メールの受信
- 管理画面に予約が反映されているか
- 予約残数が減っているか
WordPressに予約システムを導入できるプラグイン5選
では、予約システムを導入できるプラグインのおすすめ5選を紹介しよう。
機能面の充実はもちろん、設定が簡便で、利用されていることが多いものを選んだ。
※機能や価格は2021年10月現在のものである。
MTS Simple Booking C
シンプルな予約システムの作りであり、全て日本語対応である。
スタートガイドもあるので導入しやすいのが特徴だ。
無料版で、予約カレンダーの埋め込み、複数の時間予約設定、予約情報の管理、予約後の自動返信メール、予約人数の設定が可能だ。
▼MTS Simple Booking Cの概要
料金 | 無料あり(有償版は別途見積もりが必要) |
日本語対応 | ○ |
Googleカレンダー連携 | × |
決済機能 | × |
無料版とビジネス版とされている有料版での機能の違いは下記にまとめた。
まず無料ダウンロードしてみることをオススメします。
▼無料と有料の違い
比較項目 | 無料 | 有料 |
オプション機能 | × | 予約画面でオプション選択が可能 (日付の第一候補、第二候補等) |
ユーザー登録機能 | × | WordPressのユーザー(メンバー)アカウント機能の利用が可能 |
問い合わせフォーム機能 | ×(別途用意) | フォーム内容や文章の変更も可能 |
MTS Simple Booking Cは、WordPressの管理画面でプラグイン検索しても出てこない。
別途、公式サイトからzipファイルのダウンロードが必要になる。
Booking Package
宿泊施設の予約に多く使用されているプラグインである。
しかし日付をまたぐ予約に加え、24時間以内に完了するタイプの予約設定も可能なため、セミナーやイベント、会議室予約等でも利用できる。
▼Booking Packageの概要
料金 | 無料あり(有料は月額660円) |
日本語対応 | ○ |
Googleカレンダー連携 | ○ |
決済機能 | ○(有料のみ) |
無料と有料の違いは下記の通りだ。
▼無料と有料の違い
比較項目 | 無料 | 有料 |
決済機能 | × | Stripe Apple Pay、GooglePay PayPal |
予約残数の表示 | 予約日単位で可能 | 予約時間単位で可能 |
オプション追加 | × | 追加可能 |
ユーザー登録機能 | × | WordPressのユーザー(メンバー)アカウント機能の利用が可能 |
Online Lesson Booking
パーソナルトレーニングやオンライン英会話など、レッスンタイプの予約に適しているプラグインだ。
講師の登録ができて、講師別に予約の受付ができるのが特徴だ。
▼Online Lesson Bookingの概要
料金 | 無料あり(有料は機能毎に課金) |
日本語対応 | ○ |
Googleカレンダー連携 | × |
決済機能 | ○(PayPal決済拡張:27,500円) |
有料は、機能毎に機能拡張モジュールとして販売されている。
機能拡張モジュールも一つのプラグインとなっており、1機能を追加するごとに費用が発生する仕組みだ。
▼無料と有料の違い
比較項目 | 無料 | 有料 |
決済機能 | × | PayPal支払い(27,500円) PayPal定期支払い(27,500円) |
ポイント機能 | × | 講師ごとに消費ポイントを設定できる(27,500円) |
ユーザー情報の更新 | 1人ずつ可 | 複数ユーザーの情報を一度で更新できる(16,500円) |
Event Manager
イベントやセミナーの予約に適しているプラグインだ。
イベントの開催場所をGoogleマップと連携させることも可能である。
▼Events Managerの概要
料金 | 無料あり(有料は1サイト75ドル) |
日本語対応 | ○ |
Googleカレンダー連携 | × |
決済機能 | PayPal、Steipe (有料Proプラン) |
有料プランは1サイト利用のみの「Pro:75ドル」と、5サイト利用の「Pro Dev:150ドル」がある。
▼無料と有料の違い
比較項目 | 無料 | 有料 |
決済機能 | × | PayPal、Stripe オフライン決済 |
クーポン | × | ◯ |
決済機能には課金が必要だが、無料機能のままでも、イベントの予約席数や締め切り等細かい設定まで行うことができる。
CP Appointment Calendar
無料でPayPal決済機能が利用できるのが大きなメリットだ。
海外製のプラグインであり、英語対応にはなるが、シンプルな作りなので設定もそこまで難しくはない。
▼CP Appointment Calendarの概要
料金 | 無料あり |
日本語対応 | × |
Googleカレンダー連携 | × |
決済機能 | ○(PayPal決済:無料) |
無料と有料の違いは、下記の一点である。
▼無料と有料の違い
比較項目 | 無料 | 有料 |
決済機能 | PayPalのみ | PayPal未使用で可 |
以上、5つがWordPressのオススメプラグイン5選だ。
WordPressに予約システムを導入できるツール2選
ここからは、既存の予約システムについて紹介していく。
どれもプラグインではないが、WordPressに連携する形で使用が可能なツールである。
RESELVA(レゼルバ)
参照:RESELVA
RESELVAは350以上の業種に対応している予約システムだ。
メールの自動返信はもちろん、オンラインカード決済サービスも使用できる多機能なツールである。
▼RESELVAの概要
料金 | 無料あり |
日本語対応 | ◯ |
Googleカレンダー連携 | ◯ |
決済機能 | ○ |
月間の予約数等によって利用料金に変動があるため下記表にまとめた。
▼料金体系
比較項目 | フリー | ブルー | シルバー | ゴールド | エンタープライズ |
料金/月 | 0円 | 2,200円 | 5,500円 | 11,000円 | 22,000円 |
予約可能件数/月 | 100件 | 200件 | 500件 | 1,000件 | 2,000件 |
登録可能顧客数/月 | 500件 | 1,000件 | 2,500件 | 5,000件 | 10,000件 |
STORES予約
参照:STORES予約
STORES予約もRESELVA同様、多機能なツールである。
フリープランであればRESELVAと同様無料で利用可能だ。
▼STORES予約の概要
料金 | 無料あり |
日本語対応 | ◯ |
Googleカレンダー連携 | ◯ |
決済機能 | ○ |
有料の場合、年契約になるので気軽に有料プランを試せないという点がある。
▼料金体系
比較項目 | フリー | ライト | スタンダード | プラチナ |
料金/月 (年契約12ヶ月割) |
0円 | 8,778円 | 26,379円 | 66,000円 |
予約可能件数/月 | 100件 | 200件 | 2000件 | 無制限 |
有料での追加機能はとても多く、一例をあげると下記の通りだ。
- リマインドメール
- Zoom連携
- オプションメニュー
- スクールタイプの予約ページ
- スタッフ指名
まとめ
本記事ではWordPressに予約システムを導入するプラグイン、ツールについて解説した。
もちろん各プラグインやツールにより細かい設定は異なる。初期設定は大変かもしれない。
しかし、運用すると格段に予約の取りやすさや手間が省けるのは確かだ。
予約システムの導入により、読者のビジネスが更なる発展につながることを願っている。