副業禁止の会社に勤めながらWebライター副業をするのは果たしてヤバいことなのだろうか。
実際、Webライターを副業としている人は多い。
この場合、会社が副業を認めているのか、それともバレないように何か工夫をしているのか、この部分が気になっている人も多いはずだ。
本記事では、『副業禁止の会社員がバレずに副業をするための方法』、『万一バレてしまった際に考えられる罰則とバレないための対策』について解説していく。
目次
副業禁止の会社員Webライターでも副業はしてもいいのか
1.法律上は副業を禁止する規定はない
実は、法律上は会社が副業を禁ずる規定が存在しない。
つまり、会社員の副業は法律上何の問題もないということだ。
日本国憲法第22条第1項
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転および職業選択の自由を有する
引用元:e-gov法令検索
憲法にもはっきりと「職業選択の自由」について記されている。つまり、法律上は会社員の副業は認められていることになる。
会社員には仕事を自由に選択し決定する権利があるため、Webライターの副業をしても法律違反にはならない。
中には、Webライターで毎月数万円でも副収入を稼げたらとは思いつつも、会社が副業をNGとしているため実行に移せずにいる人もいるかもしれない。
もし何かの拍子に副業がバレ、本業のキャリアに支障が出るような自体になれば大変だからだ。
会社員の副業は、法律で認められていることをまず知っておこう。
2.副業禁止かどうかは就業規則が左右する
ではなぜ「会社が副業を禁止していてWebライターの副業ができない」などという事態が生じるのか、それは会社が独自に決める「就業規則」があるからだ。
就業規則により副業禁止と定められていれば、それが会社のルールとなるため守る必要がある。
基本的には副業を行うことは認められている
ここ最近の傾向としては、むしろ副業・兼業を促進する風潮が強まっている。
2018年1月に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を作成し、「モデル就業規則」から副業を禁止する規定を削除している。
副業は基本的に推奨すべきであり、もしも企業が副業・兼業を制限するのなら、以下の例に該当する場合のみであると書かれている。
- 労務提供上の支障がある場合
副業の業務が本業に差し支える(勤務時間など) - 業務上の秘密が漏洩する場合
副業をすることで社外秘の情報が漏れてしまう - 副業により自社の利益が害される場合
競合他社とのダブルワークにより自社に損害がもたらされる - 自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
自社のオリジナル商品を他社でも販売する
つまり、上記に該当しない場合、会社が副業を禁止することは不可能だ。その結果、基本的には多くの会社で副業が認められている。
会社の不利益になる副業は禁止される
常識的に考えれば容易に判断できることだが、会社の不利益になる副業は禁止される。
会社の不利益になる副業には以下のようなものがある。
- 副業に時間を割きすぎた結果本業に支障が出た場合
- 会社のブランドを失墜させた場合
- 故意に同業他社を選び副業した場合
Webライターで副業をする場合、上記に該当するケースはほぼないため問題はないと判断できる
3.会社にバレた場合に罰則はあるのか
就業規則に副業禁止の項目が記されているのに関わらず副業をしたとして、万一会社にバレた場合にどのような事態が待っているのかについても知っておきたい。
会社にバレた場合の罰則については、会社に与えた不利益の度合いによるところが大きい。
大きくは以下の5つの罰則に分けられる。
- 厳重注意
- 自宅待機
- 減給
- 降格処分
- 懲戒解雇
それぞれの罰則について解説していこう。
厳重注意
副業がバレても、その副業が本業に一切影響を及ぼさないものと判断されれば、厳重注意だけで終わる場合も多々ある。
近年の就業規則においては「届出をすれば副業は認められる」などのケースが増えているが、この場合は規則に沿って届け出た上で堂々と副業を続けた方が当然良い。
自宅待機
厳重注意で済まない場合は自宅待機期間を設けられることがある。
この待機期間中に事実確認などがおこなわれ、正式な処分が決定する。
減給
期間を設定し、その期間中の給料が減額される罰則もある。
副業で稼いだ以上の金額をマイナスされるとそのダメージもかなり大きい。
降格処分
役職者が就業規則を破り副業していたとなれば、その役職から降格させられるケースもある。
先程の減給処分と似た処分だが、降格+減給となるためこちらの方がペナルティとしては大きい。
懲戒解雇
最も重い罰則が懲戒解雇だ。
実際にあった事例を一つ紹介しよう。
副業がバレてクビになるには、相当な不利益を持たらす必要がある。
この場合、競合他社で副業をしただけでなく、取締役に就任している。
競合他社へ本業の勤め先である会社の機密情報を流せば、当然その罪は重い。
副業禁止の会社員Webライターの副業が会社にバレない2つの対策
1.副業収入を年間20万円以下に抑える
副業収入が20万円以下であれば、所得税を納める必要がないため確定申告が不要になる。
確定申告が必要になるのは副業収入が20万を超えた時。
No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
1 給与の年間収入金額が2,000万円を超える人
2 1か所から給与の支払を受けている人で、給与所得及び退職所得以外の所得の金額の合計額が20万円を超える人
3 2か所以上から給与の支払を受けている人のうち、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と給与所得及び退職所得以外の所得金額との合計額が20万円を超える人
引用元:国税庁HP
20万を越えれば、以上の記載の2もしくは3に該当するため、確定申告が必要になる。
逆に言えば、20万を超えなければWebライターとして得た収入については自ら口外しない限り、会社にバレることはまずない。
ここでもう一つ気をつけるべきは「住民税」だ。
確かに20万円を超えなければ確定申告の必要もない。
しかし、それは所得税に限ったことだ。
仮にWebライターの収入が年間20万円以下であっても住民税の手続きは必要だ。
住民税の納付方法は以下の2つだ。
- 納付書を用いて自分で納付する「普通徴収」
- 給与から直接天引きとなる「特別徴収」
住民税の手続き時に「普通徴収」を選んでいれば、会社にバレる心配はないため覚えておこう。
2.クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングはネット上で全てのやり取りが完結するため、会社に副業がバレにくい方法だ。
国内最大のクラウドワークス公式HPには、その仕組みがこのように図解されている。
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引用:クラウドワークス公式HP
上記のように、仕事を請け負う際に雇用契約を結ばないため、クラウドソーシングで得た報酬は給与所得ではない。
所得は「雑収入」として住民税を納付するための手続きを済ませる必要がある。
先程と重複するが、納付方法は「普通徴収」にしておく必要がある。
副業禁止の会社員Webライターの副業がバレた際に行うべき2つの対処法
1.株や仮想通貨、FXでの所得だと伝える
副業で収入を得ていることが会社にバレたとしても、それがWebライターであるとまではバレないケースが多いはずだ。
副収入を得ていることがバレた場合は、「仕事を他にしている」のではなく「投資」で得た収入だと伝えると良い。
なぜなら、投資による副収入は「副業」とは見なされないため、副業禁止の会社に勤めていても罰則に問われることはないからだ。
Webライターの副業をしていることをわざわざ自分から会社に伝える必要はない。
仕事でなく投資であることをアピールし、うまくトラブルを回避していこう。
2.罰則があまりにも重い場合には労働審判を利用する
副業がバレた場合の処分が極端に重い場合は労働審判という方法を利用することもできる。
- 労働審判手続は,解雇や給料の不払など,個々の労働者と事業主との間の労働関係のトラブルを,その実情に即し,迅速,適正かつ実効的に解決するための手続です。
- 訴訟手続とは異なり非公開の手続です。
引用元:裁判所公式HP
労働審判でなく労働裁判を申し立てることもできるが、裁判となると第一審だけでも平均審理期間が14.3ヶ月かかる。
一方、労働審判は原則3回以内の期日で審理を終結させることができ、その迅速性が裁判とは大きく異なる。(ちなみに1回目から2回目、2回目から3回目の間隔は1〜2週間ほどだ)
また、代理人として弁護士を立てる必要がある裁判と比較して、労働者のみでの手続きが可能なのが労働審判。
万一極端な罰則を課せられた場合には、労働審判という方法があることを覚えておこう。
公務員が副業でWebライターをやるのはお勧めできません
会社員であれば、Webライターで副業することが基本的には認められている。
しかし、公務員の場合は副業自体が認められていない。
国家公務員法 第103条
職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない。
国家公務員法 第104条
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
地方公務員法 第38条
職員は、任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利を目的とする私企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。
引用元:e-gov法令検索
上記は国家公務員法と地方公務員法の罰則だが、結局はいずれも「いかなるときも営利に関わってはいけない」と定められているのだ。
そのためWebライターとしての副業もおすすめできない。
副業が基本認められているのはあくまでも会社員に限ったことだ。
まとめ
本記事では副業でWebライターになりたい、会社勤めをしながら空き時間で副収入を得たい方向けに、会社員の副業としてのWebライターについて解説した。
副業NGの会社は確かに実在するが、近年ではかなり減少傾向だ。
Webライターで副業をする際には会社の就業規則を必ず確認しておくこと、バレないための対策を徹底しておくことが重要となる。
本記事を執筆しているタテイシです。
Webライターとしてキャリアをスタートさせ、現在で6年目を迎えて多くのお仕事をこなしてきました。
現在は、Webライターさんを雇いながら、様々なメディア運営を行っています。