「未経験でのWebマーケター転職は難しい」といった声をよく聞く。
未経験者が応募するにはハードルが高いと言われているが、マーケティング未経験者でも転職成功させている例はある。
それでは早速、マーケティング未経験者には転職が難しいと言われいている3つの理由と、その理由を踏まえた克服方法を解説していこう。
目次
マーケティング未経験者には転職が難しい3つの理由
結論、マーケティング未経験者でも転職は可能だ。
求人サイトで「マーケティング 未経験」と検索すると、34,883件ヒットする。
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参照:求人ボックス
「未経験者OK」の求人がこれだけあるにも関わらず、転職が難しいと言われる理由は以下の3つである。
マーケティングスキルは抽象的で実力を証明しにくい
具体的な成果物が示せないことで、マーケティングスキルは証明しづらい。
結局、実際にマーケティング戦略を考え、実際に商品やサービスを売った経験をもとに「◯◯というサービスを■■という戦略で売った」という具体的な経験を語れないと評価できない。
ちなみに、代表的なマーケティングスキルは下記は5つに絞られる。
- SEO対策スキル
- 有料広告運用スキル
- SNS運用スキル
- 動画メディア運用スキル
- リストマーケティングスキル
これらのマーケティングスキルは定量的に測れるものではない。
他業種でエンジニアを例に挙げると、「Python」のプログラミング言語の習得や〇〇機能をつけたアプリ開発ができるなど、学習すべきスキルが明確化している。
マーケティングにはそういった明確スキルがなく、総合力勝負となる。
そのため、未経験ではスキルの証明が難しいため、転職での判断材料が少なく、転職が難しいと言われている。
ただ、それでも個人でブログ運営をすることや、単発で広告運用をしてみる等未経験者でも個人的に実績を積むことは可能です。
マーケティングの求人には即戦力を求める記載が多い
マーケティングの仕事は、売り上げに直結するため、即戦力を期待されることが多い。
企業としては、出来るだけ早く売り上げを上げたいのだから当然のことかもしれない。
ここが、未経験者には難しいと言われる理由の一つだ。
以下の実際の求人情報を見ていこう。
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参照元:doda
上記は自社メディアサイトの運用に関わるマーケティング業務の求人である。
SEO施策や広告運用等の2年以上のスキルが求められている。
実際「未経験」検索での求人数は多くても、詳細を確認すると、経験者を優遇するような記載が多く見られました。
求人情報をよく読み、経験年数を問わない企業を選択していきましょう。
基礎的なITスキルは身に付けておかないといけない
未経験だからといって、「PC触れません」だと仕事にならない。
マーケティングの仕事は、さまざまなツールを使用していく必要があるからだ。
Webマーケターに必要なITスキルは以下の通りだ。
- Excel等のOffice系スキル
- スプレッドシート等のGoogle系スキル
- リサーチスキル
マーケターはデータと向き合うことが必要だ。
例えば、有料広告運用スキルに使用するExcel関数は以下のようなものがある。
▼Excel関数(例)
関数 | 機能 |
SUM関数 | 合計値を算出 |
AVARAGE関数 | 平均値を算出 |
IFERROR関数 | 数式エラー時に任意の値を返す |
SUMIF関数 | 範囲内で指定の条件に該当した値の合計値を算出 |
&関数 | 複数のセル同士を&で繋ぐことで、繋いだ文字列を出力できる関数 |
もちろんITスキルは、実践場面で徐々にスキルアップしていくものだ。
はじめから完璧でなくても構わない。
ITスキルに抵抗がないことや、新しいツールやスキルが必要になった時に、自ら調べて試行錯誤しながら進めていくリサーチスキルが特に重要である。
仮に実績があっても転職が難しい場合もある。
しかし、裏を返すと最低限のITスキルを持った未経験でもチャンスは十分にあると言える。
マーケティングは未経験者に難しいと感じた体験談3選
1.再現性を求めるのが難しい
マーケティングには正解がない。
「これをやれば正解ですぐに売上があがる」という明確なロードマップがないことが、未経験者に難しいと言われる理由だ。
裏を返せば、「たまたま成功した」ということもあり得る。
販売する商品やセールス方法、背景によって成功する方法が異なっている。
そのため、数々のデータや過去の動向から考えるといったことが重要になる。
正解探しや変化を嫌う人には向いていないが、常に考えながら臨機応変に対応できる人には向いている仕事だろう。
優秀なマーケターでも失敗することが多く、マーケティング施策の3/4は失敗に終わると言われています。
「このフレームワークを覚えたから、これを使えば間違いない」というのが通用しないのが難しいところですよね。
今となっては、正解がないからこそ面白いのがマーケティングの仕事だと思っています。
2.デザイン面の知識も必要だった
意外かもしれないが、マーケティングにデザインの知識は必要不可欠である。
マーケティングの仕事というと、データを分析したり、フレームワークに当てはめて考えるなど、デザインとは程遠いイメージを抱く方も多いだろう。
しかし以下3つの理由からデザイン面の知識が必要だと実感した。
- ブランディングに関わるから
どんなイメージを持ってもらいたいかにより変化する - クリック率に関わるから
ボタンカラーやレイアウトによって変化する - 顧客の継続率に繋がるから
デザイン含むサービスの使いやすさによって変化する
そこで、いい文章を作成しても、広告費をかけて宣伝しても、考えられたデザインでなければ、売上は上がらないということに気がつくことができました。
過去の私のように、マーケティングとデザインの関連、重要性には実務をこなして修正していかないとなかなか気がつきにくい部分である。
3.利用するツールが多くて覚えるのに苦労する
未経験の方は、「仕事内容に慣れる」よりも「ツールの使い方に慣れる」ことの方が最初は大変という声も聞く。
データは仮説ありきで分析しないと膨大なデータ量に押しつぶされるし、ツールの使い方も覚えないといけないし、大変に感じることもあります。
マーケティングの仕事では利用するデータ、利用するツールが非常に多い。
メディア運営で使用するツールを紹介しよう。
- WordPress
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
- キーワードプランナー
- ドメインパワー調査ツール
- ラッコツール
- 競合分析ツール
あくまで一例だが、メディア運営だけでも7個以上のツールを使用していく必要がある。
実務を通じて1〜2ヶ月もすれば慣れて、抵抗もなくなります。
未経験者でも「マーケティングは難しい」と感じさせない準備
1.大枠を理解する
まず、マーケティングの大枠を理解しておくことをオススメする。
詳細までを網羅しようとすると、数年は転職活動に移れない。
書籍では下記のようなものが「マーケティングとは」といった大枠について未経験者でも理解できるように解説してくれている。
また、日常生活においても「これはどんな顧客がターゲットで、どんな風に販売に繋げているんだろう」と仮説を立てていく練習をするとマーケティング脳が鍛えられていく。
私もSEO講座の講師として講義をしています。
先ほど挙げた「デザイン」部分についても網羅しているマーケティングスクールはほとんどないです。
Withマーケでは全ての範囲を網羅して、大枠理解することができます。
2.専門分野を絞っておく
大枠を理解した後は、ひとつの専門分野に絞ることをおすすめしたい。
前述の通り、マーケティングスキルは幅広いため、専門分野を絞らないと3年、5年と転職までに長期間を必要としてしまう。
SEO対策スキルをつけると決めたらなら、無理にSNSマーケティングにも力を入れるとかではなく、SEO対策一本で専門性を高めていこう。
3.ほとんどの情報は必要ないことを知る
ほとんどの情報は今の自分に必要がないことを知って欲しい。
「有益」と言われている情報は世の中やネット上に溢れている。
興味深い書籍もとても多く並んでいる。
しかしたくさん買って学ぼうとしても無駄だ。
正直、書籍を何冊読んでも、すぐに読んで行動できる内容じゃないと意味がない。
結局、今の自分に必要な情報はごくわずかである。
専門分野を決めたら、早速実践し、わからないところを書籍や動画講義で確認して学習を進めるスタイルが良いだろう。
未経験マーケターから卒業するためにやってきた全てのこと
1年後の将来像を設定する
まず、1年後の将来像(ゴール)の設定をした。
ここの設定がされていないと、進むべき方向性を見失ったり、関係のない学習に時間を費やしてしまうことになる。
そして1年後にWebマーケター転職するといった将来像を設定していました。
身に付けるスキルを絞った
専門分野を絞るのと同様に、身につけるスキルも絞らないと広く浅くしかわからない未経験者と変わらない状態だ。
ここで、メディア運営と広告運用など複数のスキルを選択していたら、転職にも時間がかかっただろう。
スキルを絞らないと、経験者にも負けてしまうし、他の未経験者との差別化もできない。
メディア運営に関連するスキルに優先順位をつけた
身につけるスキルを絞ったら、さらに関連スキルを細分化し、優先順位をつけよう。
メディア運営をするには、「Googleに評価される記事=読者の悩みを解決する読みやすい記事」がないと始まらない。
そのため、SEO対策スキルの優先度が必然的に上位となる。
その後記事が溜まった段階では、サイト改善のために、配置を考えたり、サイト速度改善を図ったり、細かな工夫をするサイト改善スキルも必要になってくる。
また、SNSマーケティングであれば、コピーライティングスキルのほうが重要であるし、関連するスキルの優先順位は変わってくる。
優先順位の高いスキルの学習に集中した
未経験で転職を目指すうちに学習迷子になる人も多い。
マーケティングは範囲が広すぎるが故に起きてしまう現象だ。
しかし、ここで優先順位の高いスキルの学習に集中すると、下記のようなメリットがある。
- 専門分野ができる
- 未経験でも実績を残しやすい
- 他の未経験者との差別化が図れる
反対に、優先順位をつけないで、一つのスキルに集中せずに学習を進めると、デメリットが多い。
- 概要しかわからない
- 書籍で言われていることの受け売りになってしまう
- 実績として何も残らない
未経験からマーケティング転職を狙うなら、必ずスキルを絞り、優先順位をつけて学習をするべきだ。
まとめ
本記事では、マーケティング未経験者に転職が難しい理由と克服方法について解説をした。
結論、「未経験者でも転職は可能」だ。
もちろん難しいと言われているだけあり、簡単に転職できる訳ではない。
しかし逆算思考で、必要なスキルを絞って学習を進めれば未経験者でも十分転職可能と言える。
この記事が、これから転職を考えている読者の参考になったら嬉しい。
本記事を執筆しているタテイシです。
私は未経験から現在、複数のベンチャー企業のマーケティング総責任者として働いています。
Webマーケティングは、顧客と一緒に成長できる良い仕事なので「Webマーケターになりたい」と考えている方の参考になればと本記事を執筆しています。